第17話:光速の深淵とオンラインカジノの罠

【実録】ギャンブル破滅物語:自己破産への軌跡

本記事には、オンラインカジノに関する描写が含まれます。これは泥谷(どろや)の過去における深刻な依存症体験と、それに伴う破滅的な過ちを記録したものです。オンラインカジノ等の違法賭博を推奨する意図は一切ありません。

​日本国内でのオンラインカジノ利用は法律で禁じられています。 当ブログの物語は実体験に基づいておりますが、掲載内容はすべて法定の公訴時効および民事上の消滅時効を優に超えるほど、遠い過去の出来事です。現在はすべての関連アカウントを削除し、完全に決別しております。依存症の恐ろしさを伝える警鐘として、あえてその暗部を直視し執筆しています。

​また、記事内に登場する「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、各カード会社の規約で厳格に禁止されている行為です。利用停止、残債の一括返済、さらには法的トラブルに発展する極めて危険なリスクを伴います。 本記事はあくまで過去の過ちを記録するものであり、これらの行為を推奨する意図は一切ありません。絶対に真似をしないでください。

​2度目の限界が、足音を立てて近づいていた。

​そんな折、俺は「オンラインカジノ」という名の、底なしのブラックホールを見つけてしまった。

紹介サイトはあちこちに溢れ、その多くが「日本のギャンブルより還元率が高い」と謳っていた。俺はそこに、毒を含んだ可能性を見出していた。

実際には日本国内でオンラインカジノの利用が合法になったことは一度もないのだが、当時はまだ世間的にもグレーなイメージで語られていた。金に飢えていた俺にとって、倫理観は二の次だった。

​とにかく、勝って金を稼がなくてはならない。 その一心だった。

​24時間止まらない、高レートの誘惑

​まず、スロットに手を出した。

日本のパチンコ・パチスロとは比較にならないゲームの消化速度。さらに一回転あたりのベット額も自在に変更できるため、ハイリスクで一回転の重みが違う。元々ゲームやパチスロが好きだった俺は、その派手な演出と、時折跳ね返ってくる大金に、瞬く間に魅了された。

​だが当然、現実は甘いものではない。電子の数字は、俺の期待を嘲笑うかのように猛スピードで飲み込まれていった。

​そんな傍らで、俺は「バカラ」を知る。

「バカラ攻略法」という、今思えば笑止千万な詐欺情報を、俺はまたしても買い漁った。

「このタイミングでマーチンゲールを仕掛ければ勝てます」

​【マーチンゲール法とは?】

負けるたびに賭け金を2倍にしていく手法。「一度勝てばそれまでの負け分をすべて取り戻し、最初の賭け金分が利益になる」という理論だ。

​競艇で痛い目を見たはずの、机上の必勝法。

だが、今回は「2分の1」のギャンブルだ。競艇より遥かにシンプルで、単純なゲーム性。

(もしかしたら、これなら本当に攻略可能なのでは……?)

​俺は再び、同じ過ちを犯そうとしていた。適当な理屈を信じ込み、数式を盾にして、俺はクレジットカードの枠をチップに替えて積み上げた。

​結果は、もはや書くまでもない。

連敗に次ぐ連敗。いくら途中で増える局面があっても、大連敗が訪れた瞬間にマーチンゲール法は牙を剥く。倍々で膨れ上がった賭け金が、今までの勝ち分もろとも、一瞬で電子の海へと消え去っていった。

​1回目の転落(パチンコ)の時は、物理的な移動や営業時間の制限があり、首が絞まっていく感覚はまだ緩やかだった。例えるなら、真綿でゆっくりと首を絞められるような、まだ「痛み」を実感できる速度。

​だが、オンラインカジノは違った。

それは、首にかけられたロープの先を、特急列車に結びつけられたようなものだ。

​24時間、365日。寝室の布団の中から、仕事の休憩中から、数分、数秒という単位で数万が溶けていく。

溶かしているのは他でもない俺自身なのだが、その速度は、まさに「えげつない」の一言だった。

競艇、そしてオンラインカジノ。2つの濁流は、瞬く間に俺を飲み込んだ。

​偽りの「更生」の裏側で

​実家では、親に給料からコツコツと返済を続ける「更生した息子」を演じていた。親は俺が真面目になったと信じて、少しずつ表情を和らげていた。

だが、その裏で俺が抱えていたのは、前回を遥かに凌ぐスピードで膨らみ続ける、莫大な負債の山だった。

​以前と同じやり方で多数作成したクレジットカードのショッピング枠も、現金化してあっという間に食い尽くした。

親の愛と、自分の未来。その両方を担保にして、俺は画面の中の数字を追いかけ続けた。

​そして、運命の日は再びやってくる。

あの、冷徹で無慈避な「通達」が。

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