本記事に登場する「先払い買取」は、実質的に闇金と同様の極めて高い手数料(暴利)を伴うスキームです。現在は法的にも厳しく規制されており、利用することは自身の破滅を早めるだけでなく、犯罪被害やトラブルに巻き込まれるリスクが非常に高い行為です。
ここに記された内容は、過去の泥谷の過ちをさらけ出すことで、「反面教師」となることを目的としています。いかなる理由があっても、これらのサービスの利用を推奨するものではありません。
もし現在、支払いや借金で追い詰められている方は、一人で悩まずに公的機関や専門機関へ相談してください。
「後払い」という名の小さな延命を繰り返し、なんとか今日を繋いでいた俺に、ついに逃げ場のない鉄槌が下された。
1度目の破滅の時と同じだった。一通の通知がすべてを変えた。
天井まで張り付いていたクレジットカードの枠が減額され、強制的に「返済専用」へと切り替わった。
それは、社会から下された俺という人間への「信用の死刑宣告」に等しかった。
悪夢はそれだけでは終わらなかった。
翌月には別のカード会社から。その数日後には消費者金融から。
まるでドミノ倒しのように、俺が必死に縋り付いていたすべての「枠」が、音を立てて閉じていった。
これまで、どんなに苦しくても「どこかで借りて返せば、まだ回せる」という幻想にしがみついてきた。
一度も支払いを遅らせず、表向きは「優良な債務者」の面をして、裏で自転車のペダルを死ぬ気で漕ぎ続けてきた。だが、与信という見えない刃が、突如としてその首を跳ねた。
自転車のチェーンは唐突に切れ、車輪が外れ、フレームごとバラバラに砕け散った。
「もう、無理か……」
二度目の絶望
かつて味わったことのある絶望。だが、今回の絶望は、あの時を遥かに凌駕していた。
一度は親のおかげでゼロになった借金。それなのに今、俺は様々な禁忌を犯した上で、再び奈落に立っている。
一度目に散々迷惑をかけた親に、話せるわけがない。
今回の絶望は、前回のそれとは「格」が違った。
俺の脳裏には、「死」という文字が、刻まれ始めていた。
最後に行き着いた、先払い買取
いよいよ人生を諦め、投げやりな気持ちでネットの深淵を彷徨っていた俺が、最後に行き着いた場所。それが「先払い買取」だった。
一見すると、ネット上のリサイクルショップに見える。だがその実態は、法外な利息を毟り取るための「偽装された闇金」だ。
仕組みはこうだ。
まず、手元にないスマホやゲーム機の画像をどこからか拾い、業者に送る。業者はその画像だけを見て「買取」を承諾し、品物が届く前に「買取代金」という名目で現金を振り込んでくる。
もちろん、送る現物なんて最初から持っていない。
後日、利用者は「商品の発送が間に合わなかった」という体裁を取り、キャンセル料や違約金という名目で、受け取った額の倍近い現金を業者に支払うのだ。
表向きは「商品の売買」という形を整えている。
抜け穴を突いた「剥き出しの搾取」がそこにはあった。
そのキャンセル料や違約金は消費者金融の金利など可愛く思えるほどの暴利だった。
だが、当時の俺にはもう選択の余地などなかった。それが少しでも延命になるなら、やるしかない。俺には地獄の底で垂らされた「蜘蛛の糸」に見えた。
給料日になれば、返済専用になった借金や先払い買取の違約金を払うために手取りのほとんどが消える。
消えた分を補填するために、また別の「先払い買取」に手を出す。
もはや、ギャンブルで勝とうなんていう気概すら失せていた。ただ、今日を生き延びるための「数万円」を錬金し、借金の返済にあて、現実逃避のギャンブルで淡々と溶かす。
自らの死を早めるだけの、無意味な儀式。
俺の中身はもう、空っぽだった。
親に正しく返済を続けているという「表の顔」を守るためだけに、法外な違約金を払い、酒に逃げ、ゴミに囲まれた部屋で、俺は静かに、自分の人生が完全に「止まる」のを待っていた。
多方面からの借金、そして法外な違約金の支払い。
もう、次の給料日を乗り越える手立ては、どこにもなかった。

