第10話:総量規制の壁と、ショッピング枠を削る日々

【実録】ギャンブル破滅物語:自己破産への軌跡

本記事に記載されている「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、カード会社の規約で厳格に禁止されている行為です。利用停止や一括返済、さらには法的トラブルに発展する非常に危険なリスクを伴います。本記事は過去の依存症による過ちを告白するものであり、これらの行為を推奨する意図は一切ありません。絶対に真似をしないでください。

100万、50万の枠が相次いで天井に達した後、俺はなんとか金を作るために、なりふり構わず消費者金融の審査を受けた。

しかし、あんなに簡単に通っていた審査が、どこも通らない。A社がダメならB社、C社と、藁をも掴む思いで次々と申し込むが、結果はすべて「否決」。

​それもそのはずだ。俺はここで初めて、「法」という名の巨大な壁にぶち当たっていた。

​原因は「総量規制」。

年収の3分の1を超える貸付を禁じるその制度は、かつての多重債務が社会問題化したことで生まれた、いわば債務者を守るための防波堤だ。

​だが、当時の狂った俺は、あろうことかその制度を激しく憎んだ。

​「なぜ、金を貸してくれないんだ……!」

​今思えば寒気がする。喉が渇いて死にそうなのに、毒水を飲むことすら禁じられた渇き。俺の脳は、もうそこまで追い詰められていた。

​ショッピング枠の「現金化」という禁忌

​消費者金融で門前払いされ、足掻き続けた俺がインターネットの闇で見つけたのは、クレジットカードの「ショッピング枠の現金化」だった。

カード会社の規約違反。バレれば一発で利用停止。

だが、そんな正論を気にする余裕など1ミリもなかった。

​ショッピング枠はキャッシング枠と違い、総量規制の適用外。そこに、俺にとっての「最後の抜け穴」があった。

​まずは1枚目のカード。枠は30万円ほどだった。

それを使ってギフトカードを購入したり、怪しげな業者を利用して無理やり「現金」を捻り出す。手数料を引かれ、手元に残る金は目減りする。それでも、目の前に「現生(げんなま)」があるだけで、俺の脳は安堵という名の麻痺を起こした。

​そして、その金で他社の借金を返済しつつ、残った金でパチンコ屋へ向かう。

結果は言わずもがな。30万の枠なんて、光の速さで消えていった。

​増え続けるカードと、沈みゆく泥舟

​1枚がダメなら、次へ。やっていることは消費者金融のときと全く一緒だった。

カードの枚数は、1枚、2枚と、最終的に5枚にまで膨れ上がっていた。

​さらに数十万円分のショッピング枠。気づけば合計100万近くになっていた。

それを私生活の買い物や借金の返済に充て、そして結局、それ以上にパチンコへ打ち込み、溶かした。

​カードが複数枚になった頃には、生活のすべてが「支払い」のために回り始めていた。

A社の支払いのためにB社で現金化し、B社の支払いをするためにC社の審査に申し込む。

​もはや、パチンコに勝って返そうという淡く無謀な考えすら薄れ、ただ「今日一日、滞納という事実から逃げる」ためだけに、俺は枠を削り続けていた。

「借金で借金を返す」

​その綱渡りは、もはや限界を超えていた。

多重債務という名の泥舟は、もう誰の目から見ても沈みかけていた。

​そして、この綱渡り生活はある日、唐突に、そしてあまりに無残に終わりを告げることになる。

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